【サッカースクールコーチの1日】「夕方グラウンドに行くだけ?」と聞かれた私が教える平日・休日のリアルと本音
- 平日は13時〜14時出社で指導案作成・事務作業を行い、16時〜19時半にスクール指導を行う「午後シフト」が基本スタイル。
- 休日は試合引率・合宿・体験会イベント、または完全週休2日の2パターン。昼間の自由時間を資格勉強やトレーニングに充てられる。
- 最も大変なのは「天候(雨天中止)の判断」と「冬場の寒さ・夏場の暑さ」。それらを吹き飛ばす子どもたちの成長の瞬間の感動。
「サッカースクールのコーチって、夕方からの2〜3時間グラウンドで子どもとボール蹴るだけでしょ? 自由な時間が多くて羨ましいよ」
大学時代の友人と久しぶりに飲んだ席でそう言われたとき、私は苦笑いするしかありませんでした。
確かにピッチの上に立って声を張り上げている時間は、1日に2〜3時間程度かもしれません。
けれど、その2〜3時間のために午前中からどんな準備をし、雨の日にどれほど頭を抱え、練習後にどんな想いで保護者へ連絡メールを打っているか。
一般企業のデスクワークとはまったく異なる、サッカースクールコーチという仕事の「知られざる平日の24時間」と「休日のリアル」を、包み隠さずお話ししたいと思います。
サッカースクール正社員コーチの「平日」タイムスケジュール
多くのサッカースクールは平日、子どもたちが学校から帰ってくる夕方にレッスンを行います。そのため、勤務時間は「午後出勤〜夜退勤」が一般的です。
| 時間帯 | 業務内容 | 現場のリアル・詳細 |
|---|---|---|
| 10:00〜12:00 | 起床・自由時間・筋トレ | 通勤ラッシュとは無縁。ジムで体を動かしたり、病院や役所の手続きを済ませられる平日の特権タイム。 |
| 13:00〜15:00 | 出社・デスクワーク | 指導案(レッスントレーニングメニュー)の作成、体験参加者の受付対応、保護者からの欠席・振替連絡の確認。 |
| 15:00〜16:00 | 会場移動・ピッチ準備 | スクールバスの運行点検、会場(フットサル場や学校グラウンド)への移動。ゴール設置、マーカー・ボールの配置。 |
| 16:00〜17:10 | レッスン①(幼児・低学年) | 水慣れならぬボール慣れ、アジリティ鬼ごっこ、シュート練習。「楽しく体を動かす」テンション全開の70分。 |
| 17:20〜18:40 | レッスン②(中学年) | 止める・蹴るの基本技術、対人パス&コントロール、ミニゲーム。技術指導の濃度が上がる時間帯。 |
| 18:50〜20:10 | レッスン③(高学年・選抜) | 戦術的要素(幅と深み、数的優位の作り方)を含むハイレベルなトレーニング。コーチも本気で熱が入る。 |
| 20:10〜21:00 | 片付け・保護者対応・退社 | グラウンド整備、用具積み込み。お迎えに来た保護者と歓談後、事務所へ戻り日報を提出して帰宅。 |
サッカースクールコーチの「休日」の過ごし方と年間リズム
スクールコーチの休日は、クラブの形態によって大きく2通りに分かれます。
- パターンA:完全週休2日制(土日休み、または日・月休み):スクール特化型のクラブに多いスタイル。週末はスクールがお休みのため、自分の草サッカーチームでプレーしたり、家族との時間を満喫できます。
- パターンB:土日は試合・大会・引率業務:クラブチーム(ジュニアユースや少年団)を併設している場合、土日は公式戦や対外試合の帯同、日帰り遠征、体験会イベントが入ります。その代わり、平日の月曜日や火曜日が固定休になります。
学校が休みの期間は、朝から「短期サマースクール」や「2泊3日の強化合宿」が開催されます。合宿では子どもたちと寝食を共にし、夜は宿舎でミーティング。体力勝負の数日間ですが、子どもたちとの絆が一気に深まる年間最大のハイライトです。
現場のコーチが本音で語る「一番大変なこと」と「最高のやりがい」
この仕事のリアルを伝える上で、大変な面も正直にお伝えしなければなりません。
大変なこと:天候への気配りと真夏・真冬の体調管理
- 雨天判断の胃の痛さ:「いま小雨だけど、16時には本降りになるか?」――グラウンドのコンディション、天気予報レーダー、保護者への連絡締め切り(開始1時間前)との戦いは、何年やっても胃がキリキリします。
- 真冬のナイターの寒さ:夕方以降、気温が5度を下回るグラウンドで子どもたちを動かし続けるには、自分自身が誰よりも声を出して体を温める必要があります。
最高のやりがい:子どもの人生の一ページに深く刻まれること
けれど、そうした大変さを何十倍も上回る瞬間があります。
最初はボールを怖がってベンチでお母さんの後ろに隠れていた子が、卒業する頃にはキャプテンとしてみんなを引っ張り、最後のレッスンで涙を流しながら「コーチ、今まで教えてくれて本当にありがとう!」と手紙をくれた時。
その手紙を読み返すたび、「この仕事を選んで本当に良かった」と胸の奥が熱くなります。
グラウンドの照明が落ちた静けさの中で
20時過ぎ、最後の子どもを見送り、カクテル光線の照明がパチパチと音を立てて消えた後のグラウンド。
静まり返ったピッチに立ち、冷たい夜風を深呼吸したときの独特の心地よさは、この仕事をしている者だけの特権です。
オフィスビルの中でパソコンの画面を見つめ続けるだけでは決して得られない、生身の人間同士のぶつかり合いと、子どもの成長という奇跡に毎日立ち会える仕事。
もしあなたが、そんな熱気ある人生を歩んでみたいと思うなら、グラウンドはいつでも両手を広げて待っています。